ひまわり 145号

令和元年12月14日 NPO法人国際ボンディング協会主催のボンディングセミナーを開催しました。

『罰によらない子育て「大人が変わるために」何をする?』
森郁子先生(きづくkids-ku代表/ポジティブ・ディシプリン日本事務局 統括)

体罰による子育ては、子ども達に暴力でひとを抑えつけてもいいことを学ばせてしまいます。他人の気持ちを思いやることより、自分の思いを通すためには暴力で言うことをきかせればいいことを学んでしまいます。それが、最終的には国と国と間で問題が起こった時、平和的な解決ではなく、暴力という解決となり、戦争がなくなることはありません。
子どもについての様々な研究で、「罰」を行使することは、子どもの発達にとって「リスク」になることがわかってきました。体罰を受けた全員が、問題のある大人になるわけではありません。しかし、反社会的行動、将来的な親子関係の問題、精神疾患など大人になってから、様々な問題を引き起こすリスクがあるとわかっています。

日々の子育てをポジティブにするために=罰によらない子育ての実践。ポジティブ・ディシプリンは、親子の関係性に着眼し、0~18歳の子どもを育てる親、養育者、これから親になる人を対象とし、虐待の第一次予防として、大人による処罰的な対応を防止し、大人による不適切な関わりを軽減します。
基本的な考え方① 子育ての長期的目標の設定 20歳になった時にこうあってほしい!を考える。長期的なゴールがはっきりすれば、今の問題に対処するヒントがみえてくる
基本的な考え方② 親の温かさと課題解決のための枠組みを提供 なぜダメか?どうすればいいか?を説明する。子どもの気持ちや意見を尊重し、子どもが成長できる環境を整える。どうすればいいか?を子どもが自分で考えられるように導く。
基本的な考え方③ 子もの発達段階を理解 背が伸びるにつれ見える景色が広がるように、成長するにつれ子どもの考えも広がっていきます。子どもは何を考えているのだろう?を考える。親も子どもも一人一人気質が違います。気質の違いを理解することで、相手を理解するヒントになります。
基本的な考え方④ 今日の問題は、今日解決するように心がける
子育てに悩み、迷うことは沢山あります。考え、悩み続けられるようにサポートする仲間や社会を作っていくことが必要です。

『子どもの幸せと愛着を育む スキンシップの秘密』
山口創先生 (桜美林大学リベラルアーツ学群教授)
育児環境の変化として女性の就労、スマホの普及などがあります。スマホを見ていると子ども達はおとなしいので、0歳児からスマホをみせ、泣くとスマホをずっとみせている親がいます。そういった育児環境では、育児が効率化、知性化され、そのような環境で子どもが育つと人間関係に無関心でめんどくさいと感じていきます。そうなると親子関係は希薄化していきます。親は子どもとの絆が希薄になり、子どもは愛着不安となります。その結果、自己肯定感の低下、不安、うつ、摂食障害、大人のADHD、肥満、自己免疫疾患、免疫力の低下など様々な問題が生じ、そのような大人が親になることで、ますますこのような育児環境が拡大していくことが懸念されます。
愛着の機能には、①安全基地:恐怖や不安などネガティブな感情から「守る」②安心基地:その人といると落ち着く、ほっとする、癒される等のポジティブな感情 ③探索基地:安全・安心基地から離れることができ、安全・安心基地に戻ることができる
愛着形成には敏感期があり、生まれた直後の数時間と半年から1歳半と言われています。その時期に必要な要素は ①敏感性:子どもが泣いたら、すぐに適度に欲求に応えてあげる ②共感性:子どもの気持ちに寄り添うことです。
親は子どもにとって、この世の安全基地となります。「気持ちを受け止め」「あるがままの自分に戻れる」から、子どもは活発に外にでて活動することができます。しかし、発達の段階に応じて親子の関わり方は、変わっていくことが必要です。
子育て四訓 「乳児はしっかり肌を離すな 幼児は肌を離せ手を離すな 少年は手を離せ目を離すな 青年は目を離せ心を離すな」
愛情ホルモンと言われるオキシトシンには、成長を促し、養育活動を促し、血圧・心拍を低下させ。不安・抑うつを低下させ、痛みの閾値を上昇させ、短期的な記憶を高め、子どもの情緒に敏感になります。
オキシトシンは、子どもの脳に対しては、学習能力を向上させ、ストレス耐性を高めます。
オキシトシンを分泌させるためには、スキンシップ、人に親切にする ボランティア活動などをする 目を見つめ、優しく話しかける、ストレスをためない、五感へ快刺激を与える

二人の講師の先生は、アプローチの方法は違っても、親子の幸せ、健やかな子どもの成長、平和を願う気持ちにあふれていました。私達も、身近なところから、子ども達が、優しい愛情にあふれた環境で育っていけるように、悩みを相談できる場所を作り、親子を支え、仲間を増やし、スキンシップを広めていきたいと思います。