母子手帳は両親から子供への愛情のバトン
母子手帳は両親から子供への愛情のバトン
今年1月末に埼玉県の産婦人科医師からこんなお話しを聞く機会がありました。
それは、ある時県外から高校生の男の子がその先生を訪ねて来たそうです。彼の話によると彼の両親は彼が4年生の時に離婚されたそうで、彼は父方の祖父に育てられました。
しかし今、彼が高校を卒業し社会に出ていくに当たって「自分は望まれて生まれてきたのだろうか?」と不安になってその真実を知りたくて、たった一つ母子手帳に押してあったそのハンコの名前を頼りに探して来たという事でした。
先生は、その母子手帳にハンコを押した時期は違う病院に勤めていられたので、当時のカルテもありません。しかし、先生は妊娠中の母親学級でいつも「お母さんから生まれてくる赤ちゃんへ、お父さんから生まれてくる赤ちゃんへ手紙を書こう」と皆さんに書いてもらっていました。それが今もあるかもしれないと探しました。
するとなんと、その手紙が保管されていて見つかったのです!
高校生の彼はその手紙を読んで号泣したそうです。そして「両親から望まれて愛されて生まれてきたことがわかり安心して社会に出て行けます。」と言って帰ったそうです。
私たちの人生には何があるかわかりません。もしも・・・の事があっても子供に残すこの母子手帳にお母さんお父さんからのメッセージがあれば、それを心の支えとして生きて行けるのかもしれないと痛感しました。
何もなくても母子手帳は子供に手渡すもの。 愛情たっぷりな言葉をたくさん書いて残すことも子供さんにとっては大切な愛情のバトンなのかもしれませんね。