No.25 10月号

あなたにあったアトピー治療

去る10月8日アトピーについての講演会がありました。
お子さんがいて、聞きたかったけど行けなかったわ、と言う方の為に、少しまとめてみました。
とくに、高雄病院の江部康二先生のお話が興味深かったので、先生の書かれた本「あなたにあったアトピー治療」(NECクリエイティブ)から抜粋してご紹介します。

高雄病院は、漢方・鍼灸を中心に食養生・絶食療法、心理療法をとりいれて診療している少し変わった病院です。
高雄病院には、あらゆる治療法をしたけれどなかなか治らない重傷の患者さんが全国からたくさん集まってきています。
その中には高額の民間療法にだまされたあげく、ステロイド外用剤の使用を一気に中止してリバウンドに苦しんだ患者さんや、厳格な除去食を続け心身ともに疲れ果てた患者さんなどもいます。
元来、高雄病院はアトピー専門の病院ではありません。
現在では、月に約1600人のアトピー患者さんが診察に訪れ、年に約400人が入院しています。

<症状の意味すること>

● 赤ちゃんは治るアトピー
「治るアトピー」とは歯が生えそろうまでの乳児のアトピーのことです。
歯が生えそろえば消化器官のバリアが整ってきます。この時期を境に食物アレルギーによるアトピーは急速に減少します。極端に偏った治療法などで、赤ちゃんの成長をさまたげなければ自然に治っていきます。

●思春期は治ってもいいアトピー
思春期は、心も体も急速に変化・成長する時期で、つねに揺れ動いています。
そのため、さまざまなストレスを受けやすいのです。一人の人間としてそれなりに成長してくれれば、ストレスに対しても余裕ができてきます。この時期はあせらずに待つということも必要になってきます。

●大人は治らなくてもいいアトピー
大人は自己治癒力が成長することはもうありません。
しかも、本来100あるはずの人体の治す力が、暴飲暴食のせいや心理的・肉体的ストレスなどで、80や60と小さくなったり、ゆがめられてしまっていることがあります。
いかに治す力を引き出すかがポイントになります。
それには食生活をはじめライフスタイル、心のもちかたなどを見直していくことが大切。
本来の自分の心と体の健康度を取り戻していけば、たくさんでていた症状が軽減することは充分考えられます。
鬱々としたり、イライラしたり、あせったり、不安だったりといったネガティブな感情が長く続くと確実に治す力を落とします。
ですから、ネガティブな感情が現れた時にはさっさと捨てることです。
怒るときは怒る。人のせいにする時はする。
でも5年も10年も人のせいにし続けない。
心のもちかた次第で治す力を高めることがいくらでもできるのです。

<アトピーの全体像(アトピーコップについて)> 
コップをアトピーコップとしましょう。
コップが「人体の治す力」、そこに注がれた水が「発症要因の総和」です。
コップの許容量とそこに注がれて貯まった水の量のどちらかが上回っているかで、アトピーが発症するかどうかが決まってくる。
つまり、ベースに体質要因があったとしても、発症しないケースはいくらでもあるということ。
逆にいえば、コップの許容量を大きくすることで、アトピーの発症も防げるのです。

<ステロイドの上手なぬりかた、やめかた>
アトピー性皮膚炎は、火事をイメージしてください。
・赤み・熱・腫れ・黄汁・かゆみ・が炎症(火事)の強い状態です。
一ヶ所火事をほうっておけば、火はどんどん燃え広がっていきます。
初期消火には、必要充分な・強さ・量・範囲・時期・のステロイド外用剤が必要です。
大火事に柄杓で水をかけても火は消えません。多くのアトピー患者さんが、ステロイド外用剤を恐れるあまりに、ぬる・強さ・量・範囲・時期・が不足して、初期消火に失敗しています。
ステロイド外用剤を何日かぬって、何日かあけて・・・とメリハリをつけてぬることができたら、それが理想的なぬりかたです。このやりかたなら、副作用の確率は激減します。
ステロイド外用剤が皮膚からほとんど消えた段階でぬるようにすれば、いつもゼロからはじめることになりますから、理論上副作用は起きないわけです。ステロイド外用剤が体内に吸収されるのは2.5パーセント以下です。
また数日間から一週間で皮膚内の濃度はゼロになります。
薬というのは体内に残留している濃度が高いのが数時間で、その後どんどん減っていき、すべて代謝され消えていきます。
可能ならば一週間のうちステロイド外用剤を3日間ぬって、残りの4日間はワセリン、アズノール、アンダーム、紫雲膏など、ステロイド外用剤以外のものをぬることでコントロールします。
これは、経過の良い時の原則であり、ステロイド外用剤を4,5日間ぬって、1,2日間しかしのげないようなときもあります。

<コントロールの目標>
「かきむしって傷をつくらない」「赤く腫れた状態をつくらない」「ジュクジュクをつくらない」「睡眠がとれる」など、生活の質を保つことです。
ブツブツが残っていても、赤みがなくて褐色になれば炎症はおさまっているので、ステロイド外用剤はいりません。また単なるカサカサにもいりません。
以上簡単ですがまとめてみました。
いろいろな考えかたがあると思いますので参考にしていただけたら、と思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください